スマートシティ取組事例

歴史的文献や文化遺産を守り、展観する バチカン図書館・ASEANデジタルアーカイブプロジェクト 

NTTデータはデジタルアーカイブシステム「AMLAD」によって、世界各地の歴史的文化遺産の保全に携わっています。世界各地に収蔵された古文書や美術品などの時代経過とともに劣化する人類共通の文化遺産を、未来永劫にわたって伝える力を秘めたデジタルアーカイブシステムがAMLADです。

Prajnyaparamita Sculpture インドネシア国立博物館所蔵

Manuscript cabinet on pig-legged タイ国立図書館所蔵

BELT BUCKLE マレーシア博物館局所蔵

NTTデータは、国立国会図書館様などとのシステム構築で培った技術をもとに、2014年から世界最古の図書館の一つであるバチカン図書館の所蔵図書のデジタルアーカイブ構築プロジェクトをスタートさせました。「貴重な文献やコレクションをデジタルアーカイブ化により長期保存するとともに、研究資材として広く世界に公開したい」というバチカン図書館の要請に応えるために、2018年までの4年間で、同館に保管された2世紀から20世紀にかけて書き残された約8万冊の手書き文献のうち約3000冊の電子化に携わるとともに、それらのデジタルデータの保全・公開を行うデジタルアーカイブシステムの構築を実現させました。現在も引き続き、システムの運用保守、及び機能追加を請け負っています。今後バチカン図書館とその利用者にとってさらに価値のあるシステムとなるよう、サービス拡充に努めていく予定です。
このバチカン図書館プロジェクトの成功により様々なオファーが世界中から舞い込む中、NTTデータが次なるチャレンジに選んだのがASEANの文化財デジタルアーカイブでした。ASEAN10か国が保有する文化財の電子化による保全を進めると同時にそれらを一元的に閲覧できるプラットフォームを提供することで、「ASEANの文化の保全」「発信」「ASEAN地域の一体感の醸成」に貢献することを目的に、2018年より、ASEAN事務局及びASEAN各国と共に、日本政府によるASEAN支援プロジェクトの一環としてプロジェクトを開始しました。ASEANプロジェクトでははじめて3Dデータのアーカイブに対応し、プロジェクトのフェーズ1として、インドネシア・タイ・マレーシア3か国の文化財、計164点の電子化を完了させ、2020年2月にWebサイト上に公開しました。本プロジェクトは今後ASEAN10ヵ国への展開が検討されています。
NTTデータは今後もデジタルアーカイブ技術を通した文化遺産の保全・活用の取組みを世界各国へ展開し、文化の発展に寄与することをめざしています。