新型コロナウイルスの感染拡大、ICTの進化によって、まちづくりを取り巻く環境は大きく変わっている。これからめざすべき道筋は、どうすれば見えてくるのか。日本、海外のまちづくりを研究してきた2人のアドバイザーは、「一度、視点を前ではなく、これまでの軌跡に戻してみる」と提案する。多様性を保ちつつ、親密につながるコミュニティ実現に向けてのヒントがそこにあると言う。(2022年3月実施)
アドバイザー意見交換会
さまざまな分野でご活躍なさっているアドバイザーの方々に、広い視野と専門的なご知見を通じて「これからのまちづくり」に関する貴重な意見を交わしていただきました。
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- 大石 繁宏氏×小泉 秀樹氏
多様性を受け入れつつ、親密につながる - 石井 幹子氏×長谷川 眞理子氏
人間らしく生きられる舞台の条件を考える - ロバート キャンベル氏×中田 英寿氏
自然や地域産業の魅力を可視化・共有 - 秋山 咲恵氏×前野 隆司氏×村垣 善浩氏
幸福度、満足度を見える化 - 宍戸 常寿氏×高橋 利枝氏×西成 活裕氏
自治体間の互助・共助の仕組み - 秋田 喜代美氏×出口 敦氏×菱川 勢一氏
教育現場とまちづくりに共通すること - 岸井 隆幸氏×小泉 秀樹氏×篠﨑 彰彦氏
「日本モデル」のまちづくり - 吉岡 徳仁氏
自然とリンクしたまちづくり - 中田 英寿氏×森川 博之氏
サステナブルなまちづくり - 伊東 順二氏×隈 研吾氏
まちを構成する「モノ」と「コト」 - 伊藤 元重氏×尾形 太陽氏×髙橋 政代氏
コミュニティの活性化 - 齋藤 精一氏×中井 検裕氏
日本型スマートシティの基盤 - 石井 幹子氏×村井 満氏
まちの歴史を見つめなおす
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テクノロジー視点だけでなく感性を大事にして人間らしく生きられる舞台の条件を考える
コロナ禍は、現代を生きる我々が、働き方や暮らし方を再考するきっかけになった。効率性、利便性、先進性は重要だが、人と人が有機的に触れ合い、人間らしく生きられる舞台としてのまちはどうあるべきなのか。議論はテクノロジー中心になりがちだが、「その視点だけでは不十分」と、2人のアドバイザーは警鐘を鳴らす。人間が持つ感性、脳の特性なども含めて、複眼的に語っていただいた。(2022年3月実施)
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各地域に埋もれた自然や地域産業の魅力の可視化・共有で新しいまちづくりの可能性が拓いていく
日本のまちづくりの課題として「人口の大都市集中」がある。地方の活性化が指摘されて久しいが、具体的な解決策が提示されているとは言えないのが現状だ。その理由として、中田氏とキャンベル氏が挙げたのはデータ化、情報発信の不足。個人の潜在ニーズと、地方が持つ固有の魅力や価値をマッチングする仕組みが必要だという。そのスキームは、新しいまち、そしてコミュニティの方向性としても示唆に富むものになるだろう。(2022年3月実施)
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幸福度、満足度を見える化することがWell-beingなまちづくりのヒントにつながる
ビジネス環境が大きく変化していることに加え、新型コロナウイルスが引き起こした世界的なパンデミックによって、これまで当たり前だったことや従来の常識が通用せず、先の見えない世の中になっている。不安や懸念などが増幅されがちな中、改めて注目されつつあるのが「幸福度」や「満足度」といった尺度だ。生活の質や人の幸せを軸とした新しいまちづくりについて、3人のアドバイザーが語りあった。(2020年6月3日開催)
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Withコロナで生まれる自治体間の互助・共助の仕組み 正しい情報を住民へ届ける機能の必要性
新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響は、我々の生活のあらゆる領域に及んでいる。既に、Afterコロナ、Withコロナの時代の中での空間移動、コミュニケーション、情報選別などのあり方が大きく変容しつつあること実感しているアドバイザーもおられた。また、まちづくりにおける地方自治体間の互助、共助の仕組みや住民に正しい情報を届けるスマートシティの機能の重要性についてもお話いただいた。(2020年6月9日開催)
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これからの教育現場もまちづくりも「自ら選ぶ」「つながる」がキーワードに
産業界だけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大によって教育現場も大きな影響を受けた。大教室での講義はまだしも、少人数のゼミ、研究、グループワークなどをオンライン化することには、教育現場でも戸惑いの声が多かったという。ところが、実際にオンライン化を進めてみると、以前のようにいかないことがある反面、新しい可能性も見えてきた。キーワードは利用者目線で「選ぶこと」。これは今後のまちづくりにも共通している。(2020年6月9日開催)
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日本固有の歴史、価値に基づいた「日本モデル」のまちづくりをめざす
世界は今、パラダイムシフトに直面している。近代化、工業化を背景に成り立った社会と経済のシステムは、新型コロナウイルスによって組み替えを迫られている。その際、考慮しなければいけないことは多いが、重要なのは、オンラインとオフラインをどう混在させ、コミュニティを活性化させ、経済成長と感染予防を両立していくか。これまで培ってきた文化、受け継いできた価値をベースに、新しいまちづくりの「日本モデル」構築が求められている。(2020年6月11日開催)
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言葉にできない快適さ、癒しを持つ自然とリンクしたまちづくりへの期待
デザインからアート、建築まで、幅広い領域で創作活動を行う吉岡 徳仁氏。同氏の創作活動の根源にあるのは「自然のエネルギー」。自然との共生、共存はスマートシティに欠かせない要素だが、コミュニティの規模や所在地の環境条件の相違を踏まえて、どのように自然を取り込むことができるのか。これからのまちづくりでは、デザインのための空間ではなく、自然環境とのリンクが大きな価値になってくると吉岡氏は説く。(2020年6月11日開催)
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伝統産業、一次産業を元気づけることでサステナブルなまちづくりが可能になる
東日本大震災の影響もあり、日本ではエネルギー分野を中心にスマートシティの取り組みが進められてきた。現在も個々の分野やサービスにおけるスマート化の進行度は、世界的に見ても高いレベルにあると言われる。その一方、産業界主導のドイツなどと比べると、個別最適となりがちで、国レベルでの連携で遅れをとっているとも指摘される。それではスマートシティ構想で、日本が先駆的なモデルを提示するには何が必要なのか。日本モデルの構築に向けて、2人のアドバイザーから提言をいただいた。(2020年6月11日開催)
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まちを構成する「モノ」と「コト」が細胞のようにつながる「神経都市」へ
これまでのまちづくりは、「箱や器を作ることが中心だった」と建築家の隈 研吾氏と美術評論家の伊東 順二氏は指摘する。しかし、これからは、箱の外と中をシームレスにつないだ空間形成が重要なコンセプトになっていくという。一体となった労働空間と居住空間を移動・交差・生活する中で、モノ、コト、ヒトを育む文化的環境が作られていく。(2020年6月16日開催)
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コミュニティを活性化するために価値の可視化とコネクトが重要になる
スマートシティ構想の一環として語られることが多いテーマにコミュニティの活性化がある。新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインでつながることが増えた今、コミュニティを活性化するにはどのようなアプローチが有効なのだろうか。経済学、コミュニティ運営、再生医療とそれぞれの分野で活躍される専門家の見地から貴重な意見と提言をいただいた。(2020年6月17日開催)
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情報を共有し、カスタマイズすることが日本型スマートシティの基盤になる
インフラの設計段階から新規開発して、まちづくりを行うグリーン・フィールド型に対して、既存の街区に対してまちづくりを行うものはブラウン・フィールドと呼ばれる。ブラウン・フィールド型の投資は、人やものの流れをある程度把握できるため、リスクは低いといわれる一方で、IoTを駆使したスマート化を行うだけでは、まちの本質的な部分での変革には至らない難しさがある。これからのまちづくりではどんな視点が重要なのかについて、数多くの都市開発に携わってきたお二人に伺った。(2020年6月18日開催)
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まちの歴史を振り返り、見つめなおすことで見えてくる新しい時代のまち、コミュニティの姿
まちの魅力の背景にはさまざまな要素があるが、その地域が持つ歴史と、文化・風習を育んだ自然を抜きに語ることはできないだろう。また、郷土愛や、コミュニティとしての一体感を醸成するものとして、近年はスポーツの存在もクローズアップされている。普遍的な価値に基づくまちづくりの重要性、そして方向性について、都市景観、プロスポーツの専門家の視点から語っていただいた。(2020年6月30日開催)