スマートシティ取組事例
水門・陸閘の遠隔監視・制御システム
水門・陸閘(りくこう)は、海水の侵入または侵食を防止するための施設であり、地震による津波からの被害を軽減するためには、これらを迅速かつ確実に閉鎖する必要があります。現在、多くの自治体では津波発生時の対応として、操作員(自治体職員及び地域の協力者)が現地に赴き、水門・陸閘の開閉状態を確認し閉鎖することとなっていますが、その際の操作員の安全確保及び閉鎖作業の効率化が求められています。
そこで、お客さまの環境に合わせた最適なネットワークやデバイス、アプリケーションを組み合わせて、水門・陸閘の遠隔監視・制御を実現しました。
自治体に導入したシステムは、水門・陸閘に開閉検知デバイスを設置し、LoRaWAN™(無線)に接続して、水門・陸閘の開閉状態を容易に監視するとともに、遠隔操作設備およびWebカメラ・回転灯などを設置し、NTT西日本のビジネスイーサワイド(有線)に接続して、水門・陸閘の遠隔制御を行います。
これらにより、自治体職員の安全確保や閉鎖作業の効率化が見込めます。
現状、全国の水門・陸閘など約21,500基(常時閉鎖施設を除く)ある内、既に遠隔制御化などの対策がされている施設は約1,600基(約7%)で、災害時に現場で操作を伴う施設でこれらの措置がなされていない施設は約20,000基(約93%)にのぼります※。
今回の導入を踏まえて、NTT西日本グループは様々な自治体へIoTを活用した水門・陸閘の遠隔監視・制御ソリューションを展開していくとともに、今後、様々な防災関連のデータを活用・流通することで、例えば自治体職員の災害時の様々な判断を支援するような新たな仕組みづくりをめざします。
※国土交通省 平成27年12月18日 第1回水門・陸閘等の安全かつ適切な管理運用の促進に関する検討委員会資料2 『これまでの検討、取組みと課題について』